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知られざる『蜘蛛の糸』の秘密|実は物凄い可能性を秘めた奇跡の素材!?

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キャンプで山の方に出かけたり、田舎の小道を通った時、『蜘蛛の糸』に引っ掛かってしまったことはありませんか?

ネバネバしているせいもありますが、細いクセに意外と切れずに鬱陶しい蜘蛛の糸。

実は、この蜘蛛の糸って物凄い強度を持った脅威の素材なんです。

 

この記事では、そんな蜘蛛の糸について私たちが知らない意外な事実を紹介していきます。

 

この記事のポイント

  • 蜘蛛の糸の太さが1センチだったら、ジャンボジェットをキャッチできる
  • 蜘蛛の糸は体内では液状になっていて、空気に触れることで固まる
  • 粘着性があるのは横糸だけで、縦糸を移動することで蜘蛛は自分が絡まずに済む
  • 子グモが空に向けて糸を出すことで、移動手段としても使われる
  • 人工的に蜘蛛の糸を作り、製品化する試みが行われている。

蜘蛛の糸の強度は鋼鉄の5倍、伸縮率はナイロンの2倍!

蜘蛛の糸の太さはおよそ5μm(マイクロメートル)。

日本人の髪の毛が平均0.08mm(80マイクロメートル)と言われていますので、その10分の1以下と物凄く細いんです。

 

蜘蛛はそんなに細い糸で巣を張り、そこに掛かった獲物を捕食します。

この糸がすぐに切れてしまったら獲物に逃げられてしまう訳ですが・・・実はその心配は無さそう。

蜘蛛の糸の強度は、同じ太さの鋼鉄の5倍、伸縮性はナイロンの2倍と言われています。

ナイロンの伸縮性と言われてもピンと来ない方もいるかもしれませんが、釣り糸や楽器の弦にも使われていると言えば多少はイメージできるのではないでしょうか。

 

つまり、蜘蛛の糸を普通の糸のような太さにしたら物凄い強度を持った素材になるのです。

計算上は、太さ1cmの蜘蛛の糸で網を作ったら最高速度で飛行するジャンボジェットを捕まえても破れないと言われています。

 

蜘蛛の糸の強度を証明する実験

2006年、奈良県立医科大学である実験が行われました。

コガネグモ100匹から3ヶ月掛けて19万本もの蜘蛛の糸を集めて、太さ4mmの短いロープを作ったのです。

太さ4mmと言ったら、スニーカーの紐くらいの太さです。

蜘蛛の糸で作ったロープ繋ぎのイメージ

ロープ繋ぎのイメージ

ロープとロープの繋ぎ目に蜘蛛の糸から使ったロープをつなげ、そこに体重65kgの教授がぶら下がったのです。

理論上は4mmの太さで600kgの重さに耐えられるのだとか。

 

スパイダーマンは糸で人を持ち上げていますが、あれは見た目2~3センチはありそうですから・・・強度的にはあながち嘘じゃないことになりますね。

 

参考

蜘蛛の糸の物理化学的性質|奈良県立医科大学
http://www.naramed-u.ac.jp/~chem/OSAKI_HP/invest1_spider.html

 

体内では液体状になって存在している

この蜘蛛の糸、1日に最大で5~10メートルほど紡げると言われていますが、どのような形で保管されているのでしょうか。

お腹の中に糸巻きのような器官がある・・・訳ではなく、体内にあるときは液体として存在しています。

 

『糸腺(しせん)』という器官に入っている、糸の元の液体が『糸疣(いといぼ)』という突起から外に放たれ、空気に触れると固まって糸になるのです。

言い方はちょっとアレですが、人間で言ったら唾液が固まって糸になるようなものです。

 

一度固まった糸は、もう糸腺には戻せません。

ただし、一部の蜘蛛は足で丸めて回収した後、たんぱく源として食べることも。

 

蜘蛛が自分の糸に絡まらない理由

非常に粘着力が強く、一度手や服に付いたら中々取れない蜘蛛の糸。

でも、蜘蛛自身はその上を自在に動き回っています。

 

何故蜘蛛が自分の糸に絡まらないかというと、3つの理由があったのです。

  • 特殊な歩き方をして、粘着性のある『横糸』を避けている
  • 脚が無数の毛で覆われている
  • 毛が油で覆われている

実は、蜘蛛の糸で粘着性があるのは『横糸』だけ

『縦糸』には粘着性がないので、蜘蛛は縦糸の上を歩くことで絡まずに済むのです。

巣を作るときに、粘着力のある糸・ない糸を出し分けているんですね。

多少横糸に触れても、脚自体も毛で覆われ、更に油でコーティングされているのでそう簡単には絡まらないんです。

 

ですが100%絡まらないかというとそんなことはなく、時々自分の巣に引っ掛かってしまうこともあるんだとか。

そんな時の脱出方法は・・・『力ずくで抜け出す』

 

・・・たまに蜘蛛の巣が破れたり絡まったりしているの、もしかしたら獲物じゃなくて蜘蛛自身が引っ掛かった跡かもしれませんね。

 

蜘蛛が空を飛ぶ?『移動手段』としての糸

蜘蛛と言えば蜘蛛の巣、といえる程に『巣』のイメージが強い蜘蛛ですが、実は全ての蜘蛛が巣を作る訳ではありません。

巣を作って獲物を捕らえる蜘蛛を『造網性』、巣を作らない蜘蛛を『徘徊性』と言います。

例えば有名な『タランチュラ』(オオツチグモ)も巣を作らない徘徊性の蜘蛛です。

 

ですが、巣を作らない蜘蛛も糸を使います。

一つは、道しるべとして使う『しるべ糸』。もう一つが、『バルーニング』と呼ばれるものです。

 

バルーニングとは何かと言うと、子グモが空に向かって出した糸が風に揺られ、子グモ自身がその風に乗って移動するというもの。

蜘蛛のバルーニング

バルーニングのイメージ

つまり、こういうイメージから名づけられた名前です。ちょっと想像したくないですね。

ですが、蜘蛛はこの方法で餌のある新天地を求め、生息域を拡大してきた歴史があるのです。

 

人工的に作られた蜘蛛の糸が実用化?

強度と伸縮性に優れた素材である『蜘蛛の糸』ですが、私たちが素材として使っていくには大きなハードルがあります。

それは、大量生産が困難であること。

 

先程紹介した大学実験では、僅か数センチの糸を作り出すのに3ヶ月もの期間を要していました。

これでは、とても実用に耐えるレベルではありません。

そこで『人工蜘蛛糸』が注目されるのですが、蜘蛛糸はナイロンなどのような樹脂ではなく『たんぱく質』。

人工たんぱく質は求められる技術も非常に高く、コストも高くなってしまうのです。

 

しかし、山形県に本社をもつSpiberという会社が人工蜘蛛糸『QMONOS(クモノス)』の開発に成功し、2016年にはこの素材を使ったアウターが制作されています。

蜘蛛の糸でできたアウター

THE NORTH FACEと共同制作の、人工蜘蛛糸でできたアウター『MOON PARKA』(プロトタイプ)

2018年にはスキージャケットも発表されています。

2019年現在、どちらもまだ製品化には至っていませんが、量産化のための工場をタイに建設しているとのこと。

人工蜘蛛糸で作られた服が店に並ぶ日もそう遠くないかもしれませんね。

 

参考

Endevor|Spiber株式会社 (下の方に蜘蛛糸アウターが載っています)
https://www.spiber.jp/endeavor

 

まとめ

  • 蜘蛛の糸の太さが1センチだったら、ジャンボジェットをキャッチできる
  • 蜘蛛の糸は体内では液状になっていて、空気に触れることで固まる
  • 粘着性があるのは横糸だけで、縦糸を移動することで蜘蛛は自分が絡まずに済む
  • 子グモが空に向けて糸を出すことで、移動手段としても使われる
  • 人工的に蜘蛛の糸を作り、製品化する試みが行われている。

嫌われがちな『蜘蛛』ですが、実は凄い可能性と秘密を持った生き物なんです。

スパイダーマン・・・は言い過ぎかもしれませんが、近い将来『蜘蛛の糸』が社会の役に立つ日が来るかもしれません。

 

以上、『知られざる『蜘蛛の糸』の秘密|実は物凄い可能性を秘めた奇跡の素材!?』でした。

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